
中央区・日本橋エリアの北東に位置する東日本橋。
問屋街やオフィス街があって、江戸時代には薬研堀(やげんぼり)という運河(入堀)があったことで知られています。かつては船で各地から物品が集まる物流エリアだったんですね。
そんな東日本橋・薬研堀不動院周辺で2019年12月26日、恒例の催し物「納めの歳の市」がはじまりました!
問屋が扱う衣料品や日用雑貨などを安価で販売する「大出庫(おおでこ)市」も同時開催。
羽子板や玄関飾りなどの正月飾りのほか、衣料品やアクセサリー、食品を売る露店が多数出店して、にぎわいを見せています。(28日まで)
今年はいったいどんな様子でしょうか?
さっそくレポートしてみますね。
東日本橋・薬研堀「納めの歳の市」「大出庫市」とは
薬研堀「納めの歳の市」は、日本橋の東日本橋エリアで開催される年中行事の一つで、羽子板やしめ縄といった正月用品などを販売する市のこと。
年末の「歳の市」は、江戸時代中期から開催されており、深川八幡宮、浅草寺、神田明神社といった各地で開かれたあと、最後に薬研堀エリアで行われていたことから、この薬研堀の歳の市は「納めの歳の市」と呼ばれています。
主催は薬研堀不動尊の市保存会です。
また、問屋が扱う日用雑貨などを安価で販売する「大出庫(おおでこ)市」も同時開催。
こちらの主催は東日本橋やげん堀商店会。
さらに、薬研堀不動院では、現世安穏、災厄消除、家内安全などを祈願する大護摩供やお焚き上げ供養が行われます。
東日本橋・薬研堀「納めの歳の市」「大出庫市」の基本情報
名称 | 東日本橋・薬研堀「納めの歳の市」「歳末大庫市」 |
期間 | 12月26日~12月28日
※年によって異なります。 |
時間 | 11:00~19:00
※大庫市は11:00~16:00 |
住所 | 不動院通り、仲通り、柳橋通り、清杉通りなど(東京都中央区東日本橋2丁目) |
主催 | 薬研堀歳の市保存会
※大庫市は東日本橋やげん堀商店会 |
ホームページ | http://yagenbori.net/ |
アクセス | 都営地下鉄浅草線の東日本橋駅から徒歩すぐ
都営地下鉄新宿線の馬喰横山駅から徒歩3分 JR総武本線の馬喰町駅から徒歩5分 |
地図 |
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東日本橋・薬研堀「納めの歳の市」「大出庫市」(2019年)
それではさっそく、現地の様子を見てみましょう!
「納めの歳の市」「大庫市」では、東日本橋・薬研堀不動院周辺の不動院通り、仲通り、柳橋通り、清杉通りなどにたくさんの露店が並びます。
まずは、薬研堀不動院周辺から見てみましょう。
東日本橋・薬研堀「納めの歳の市」
たこ焼き屋、カステラ屋、たい焼き屋など

たこ焼き屋、カステラ屋、たい焼き屋

焼き鳥、カルビ焼き、もつ煮などの露店
不動院通りに入ると、たこ焼き屋などの食べ物を扱う露店が目に飛び込んできます。なんだかお祭り気分になってきますね。
七味唐辛子の露店

七味唐辛子の露店

中辛、大辛、一味などの各種唐辛子
注目は、七味唐辛子のお店。
実は、七味唐辛子は、薬研堀が発祥の地なんです。
江戸時代に薬研堀に住んでいた医師が、漢方薬をヒントにして、スパイスを調合したことがきっかけ。漢方薬として広まったと言われています。
このお店では、焼き唐辛子、生唐辛子、青のり、麻の実、みかんの皮、ゴマ、山椒の7種類の材料を配合して、その場で新鮮な七味唐辛子を作ってくれます。
羽子板のお店

歌舞伎絵風のデザインの羽子板

羽子板のお店
次に目を引くのは羽子板のお店。
歌舞伎絵風のデザインの羽子板が店内にぎっしりと並べられています。
羽子板は1つ1万円から3万円程度で、特注品にも対応。
旅館やホテルなどに飾る大型の特注品は数十万円以上になるとか。
しめ縄や玄関飾りのお店

しめ縄と玄関飾りのお店
しめ縄や玄関飾りのお店もあります。
玄関飾りは小さいもので6000円ほどとのことでした。
福引き、祭り囃子も

福引所
露店で売られている商品を買うと、福引きもできます。
1位が1万円分の図書カード、2位が羽子板となっています。

お囃子
そのほか、薬研堀不動院周辺では、お囃子や太神楽も行われます。
お囃子の演目は五人囃子の原点といわれる「祭り囃子」。
以下の曲を披露していました(一部)。
- 打ち込み
- 屋台
- 昇殿
- 鎌倉
- 四丁目
東日本橋・薬研堀「大庫市」
次に、衣料品問屋街のお買い得商品が集まる「大庫市」を見てみましょう。
バッグや靴などの服飾品から、箸やお椀などの食器、ギャッペと呼ばれるイラン製ウール絨毯まで、さまざまな衣料品や日用品が勢ぞろいします。

笑顔でアピールするチンドン屋さん
サックスと太鼓で「大庫市」をアピールするチンドン屋さん。

ずらりと並べられた靴

時計や靴下
格安の衣料品がところせましと並べられています。

赤、黄色、緑などで色付けされた箸
カラフルでうつくしい箸やお椀がひときわ目を引きます。

イラン製ウール絨毯「ギャッペ」
「ギャッペ」と呼ばれる、ふかふかのイラン製ウール絨毯。
ペルシャ絨毯に比べて、お手頃価格で手に入れることができるのが魅力です。

スパイスカレーの露店
スパイスカレーの露店もあり。
東日本橋・薬研堀「納めの歳の市」「大出庫市」(2019年)まとめ
いかがでしたか?
正月飾りを扱う「納めの歳の市」と、日用品が集まる「大庫市」、おいしそうな食べ物や見ているだけで楽しくなるような羽子板もあって、魅力満載でしたね。
なお、「納めの歳の市」「大庫市」の舞台となっている薬研堀不動院は川崎大師の東京別院。
目黒不動、目白不動とともに「江戸三大不動」として知られています。
「歳の市」「大庫市」の最終日となる12月28日には本納講談、30日には「納め礼お焚き上げ供養」も行われますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
そのほか、中央区日本橋では人形町でも「歳の市」が開催されます。
2019年の様子はこちらで確認してみてくださいね。